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MNPガイドラインの改正の動き
MNPについて従来のガイドラインの懸念点を踏まえ、ガイドライン改正案を作成しました。この改正案に対する意見募集を約1ヶ月強行い、その意見に対する考総務省の姿勢を公表し、改正後となる新たなガイドラインの公表を行いました。
従来のMNPに関する懸念点とは
これまでMNPでは手続きを行うための手数料が発生したり、メールアドレスが変更となることが乗り換えのネックとなり自由なキャリア変更ができないという問題点もありました。
また、MNPの申込み手続き時に現時点契約先において引き止め行為が行われていることも、MNPを阻害していると懸念されていました。
こうした懸念点を踏まえて、ユーザーが携帯キャリアの変更を柔軟に行えるためにガイドラインを改正するという流れとなっています。
ガイドライン改正案についての意見
総務省では、「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン」(令和元年5月最終改正)について改正案に関する意見募集を11月3日~12月8日のあいだに行いました。
この期間に16件の意見が集まり、提出された意見を踏まえた総務省の考え方を公表しています。
この意見や総務省の考え方は総務省HPで公開されている以下の資料をご確認ください。
改正後のMNPガイドライン内容は?
集まった意見を踏まえたうえで、総務省はガイドライン改正を行い、この改正後の内容は2021年4月1日から適用されることとしました。以下に改正後の主な内容についてチェックしてみましょう。
※以下でご紹介する内容は要約したものであるため、必ず公式の改正後の文書内容を確認するようにていください
利用者料金の負担について
MNPを行う利用者が、この手続きにおいて発生する料金を無料とすることを定めることになりました。ただ、対面や電話でMNP予約番号を発行する場合においては1,000円以下の金額(税抜)として定めることが可能です。
これまでは3,300円(税込)の手数料がかかっていたのに対して、無料もしくは1,000円以下になるということですね。対面もしくは電話の場合は1,000円以下、ネット上で手続きを行う場合には、手数料が無料となります。できるだけ費用をかけたくない場合はインターネット上での手続きを行うようにしましょう。
インターネットでの手続きに関する改善
MNPをインターネット上で行う場合、サイト上の見やすいところへ手続き画面を設置すること、高齢者の理解もしやすいような簡単でわかりやすく煩雑ではないような設計にすることを定めています。また、インターネット上の手続きに関しては24時間終日の受付を定めています。
引き止め行為の禁止
MNP手続きにおいて、利用者が明確な意思表示があった場合や別途定める手続き検討中の利用者に、引き止め行為を行うことを禁止することとしました。
一方で、明確な意思表示がある利用者とそれ以外の利用者(明確な意思表示がないなど)の手続きを分け、利用者がこの区分をわかるような対応手順を事前に作成した場合は上記に関わらず、利用者の同意を得た上であれば、料金プランや利益提供を行うこともできるとしています。
今後の課題
今後の課題の中心としては、MNPの手続き自体、現状は契約中のキャリアと乗り換え先のキャリアの双方で手続きが必要です。これを転入先事業者1本での手続きとする「ワンストップ方式」の実現に関しても今後検討していくこととしています。
(参考資料:「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン」総務省HP)
キャリアメールアドレスの持ち運びも引き続き課題
MNPのもう一つの大きな課題として、キャリア乗り換え時に元々のキャリアで発行されたメールアドレスが継続できないというキャリアメールアドレスの持ち運びという点があります。
この点がネックになって、キャリアへの乗り換えができないというケースもあり、総務省の調査では約20%のユーザーがこれに該当するとしています。
(参考データ:「検討の方向性(案)について(MNPに関する事項)」総務省HP)
この課題は現時点で解決されておらず、今後も検討が必要とされています。こういったMNPに関する残された課題は、「スイッチング円滑化タスクフォース」で検討や協議が進められて良き、2021年3月下旬に報告書の案が作成されたのち、意見募集が行われる予定となるでしょう。
NTTドコモではMNP手数料の廃止を決定
NTTドコモでは、ドコモユーザーが他社への乗り換えとしてMNPを行う場合、従来設定している手数料3,300円(税込)を廃止して無料で行えることを発表しています。
また、ウェブ上の窓口(My docomo)に加えて、ドコモショップ店頭やドコモインフォメーションセンターでも手数料を廃止することとしています。
ドコモから他社に乗り換える際の手数料が3,300円(税込)から無料になったことで、MNP市場も盛り上がりを見せるかもしれません。また、他社の手数料に関する動きがどうなるのかという点にも注目していきましょう。
まとめ
今回は新たに公表されたMNPに関するガイドラインに関する最新情報をご紹介しました。
改定された内容で、今後2021年4月からMNP手続きの際に適用されることになりますが、手続き料金が無料もしくは1,000円以下になった点はユーザーにとってもメリットと言えるでしょう。
今後もメールアドレスの持ち運びに関する課題など、MNPの最新情報に注目してご紹介していきます。